自転車の事故で、自治体に損害賠償を求める事例
ごみ収集作業中の大阪市の清掃作業員と衝突して転倒した後、両足に感覚障害の後遺症が残ったのは作業員の安全配慮義務違反が原因だとして、大阪市住吉区の女性が、市を相手取り、慰謝料など約3500万円の損害賠償を求める訴訟を10日、大阪地裁に起こす。(中略)女性は主婦の中沢梢加(こずか)さん(24)。訴えによると、事故は昨年3月29日午前9時半ごろ、住吉区長居3の路上で起きた。自転車の中沢さんが、停車中のごみ収集車の脇を通過しようとしたところ、収集車の後方から飛び出して来た清掃員の女性と衝突。中沢さんは転倒して後頭部を強打し、救急搬送された。その約2週間後、くるぶしから下に痛みを感じるようになり、しびれや激しい痛み、階段の段差が分からなくなる感覚障害が残った。今年5月には「複合型局所疼痛(とうつう)症候群」と診断され、「改善は難しい」との所見が付いた。事故後、市側から謝罪や事故原因の説明はなく、代理人を通じ「自転車にも過失があった」との見解を伝えてきたという。中沢さん側は「公道で作業する以上、周囲の安全を十分に注意する義務があるのに、安全確認を怠った重大な過失がある」と主張している。(中略)
一方、大阪市環境局によると、作業員は事故で右ひじに5日間のけが。同局総務担当は「作業員は十分に安全確認をしており、過失はなかったと認識している。どちらに過失があったか訴訟で明らかにしたい」と話している。
とりあえず、より激しく「飛び出した」のはどちらか、第三者には分からない(同じ程度かもしれない)。憶測で言えるのは、第一に通常程度の、正常な五感を持った人が通常の注意感覚でいたとすると、(衝突を避けられなかったという結果論で言えば)自転車のスピードの出し過ぎが第一に考えられる。第二に、緊急時にブレーキをかけて止まるなどの回避動作の義務は、対歩行者では、自転車の方が重い。第三に、収集活動中の収集車の周りでは、作業員がうろうろしているのは当たり前で、自転車の乗員も注意して通行するなど、わきまえる必要がある。これは、歩道での自転車に求められる振る舞いと同じはずである。完全に一方的だなんてことはない。
#駐停車中の車の横を通る時、間を空けるとか、やや慎重に様子を見ながら行く、といった注意は自転車の事実上の義務である。
実際の状況は、専門家による綿密な事故検証を要する。
奥只見レクレーション都市公園の通路に滑りやすい石が敷き詰めてあったため、自転車が転倒し、左ひじを骨折したとして、東京都練馬区の女性が公園を管理する県を相手取り、治療費など約300万円の損害賠償を求める訴訟を14日までに、新潟地裁に起こした。訴状によると、女性は2006年8月、公園の通路を自転車で走っていたところ、滑って転倒し左ひじを骨折。07年9月まで治療を受けた。女性側は「事故は、県が安全な物を設置し管理する義務を怠ったことで発生した」と主張。
第一に、「公園の通路」が自転車通行可であったかどうかが、未確認。
新潟県都市公園条例において自転車等の乗り入れは禁止されております
新潟県都市公園条例 昭和60年12月24日
第4条 都市公園においては、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(8) 知事が指定した場所以外の場所に車両を乗り入れること。
この点だけでも女性不利であるが、次の問題は「通路に滑りやすい石が敷き詰めてあった」点。歩行者専用通路だとしても、これは不思議な話である。この事件については、分からない点、要確認の点があるのでコメントが難しいが、一般論として、滑りやすい通路は、管理者責任は問われる。ただ、それも程度問題なので、裁判の行方は予測がつかない。
自転車乗りとしては、滑るのは、自己責任である。というのは、道には滑りやすい(あるいは引っ掛かるような)、しかし見えにくいような「落とし穴」がいっぱいあるのは、自転車ライダーの常識であるべきだからだ。仮に道路に問題があったとしても、直してねと、当局に後でお願いするのが関の山である。
最初の大阪の事件もそうだが、ヘルメット未着用であったなら、それは、本人の責任としか言いようがない。転んでも怪我の程度を低くするため、できれば長袖を着るなどの注意も本人の責任である(半袖で乗るのも本人の自由)。
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